はじめての韓国 最初の1週間
韓国での最初の数日間は、「電話番号がないと銀行口座が開けない」「口座がないと使えないアプリがある」というように、手続き同士が複雑に絡み合っています。この記事では、日本から到着したばかりの方に向けて、実際にスムーズに進む順番で「やることリスト」を整理しました。数日の観光で来た方と、留学や駐在などで長く滞在する方とでは必要な手続きが異なるため、その違いもその都度分けて説明します。
1日目:SIM・eSIMで韓国の電話番号を確保する
韓国では、現地の電話番号がないとスムーズに進まないことが非常に多くあります。銀行もアプリも、韓国の番号あての認証を前提にしているためです。現地の番号は、銀行やアプリが本人確認の照合先にする、いわば滞在全体の土台です。進め方は滞在期間によって2通りに分かれます。
- 90日未満の短期滞在:プリペイド式の旅行者向けSIMまたはeSIMが最速です。空港で買うか、事前にオンラインで購入しておき、到着後に有効化します。
- 長期滞在:まずはプリペイドSIMでしのぎ、外国人登録証(ARC)を取得してから通常の料金プランに切り替えるのが定番の流れです。
ここで日本人がよく戸惑うポイントがひとつあります。韓国のアプリの多くは、韓国のキャリアに紐づいた電話番号によるSMS認証を要求します。データ通信専用の海外用eSIMの番号では、この認証コードのSMSを受信できないことが多いのです。現地のサービスをしっかり使いたい方は、SMS認証を受けられる番号付きのSIMを選んでください。
1〜2日目:Tマネー(T-money)を買う
Tマネー(T-money)は、日本の交通系ICカードにあたる韓国の交通カードです。地下鉄・バスはもちろん、タクシーや多くのコンビニでもタッチで支払えるので、「滞在中いちばん役に立つ持ち物」と言っても過言ではありません。
CU、GS25、セブンイレブン、emart24など、どのコンビニでも買えます。レジで「Tマネーカードをください」と伝えれば大丈夫です。カード本体は3,000〜4,000ウォン程度が目安で、そこに現金でチャージして使います。バスと地下鉄を乗り継ぐ際は、降車時のタッチから乗車時のタッチまでが30分以内なら乗り換え割引が自動で適用されるのも便利な点です。使い切れなかった少額の残高は帰国時にコンビニで払い戻せるので、多めにチャージしてもむだになりにくいのも安心です。なお、チャージ額をいくらにするか迷ったら、為替レートは日々変わるので、現地の最新レートを確認してから予算感を決めると安心です。
2〜4日目:銀行口座 — 外国人登録証(ARC)がほぼ前提
長期滞在者にとって、ここが最も手こずるステップです。現実的な状況を整理すると次のとおりです。
- 主要銀行の多くは、口座開設に外国人登録証(ARC)を求めます。少なくとも「パスポート+現地住所+韓国の電話番号」のセットは必要と考えてください。
- 一部の銀行やフィンテック系アプリには、ARC取得前でも作れる機能限定の「外国人向け口座」があります。梨泰院(イテウォン)や江南(カンナム)、大学周辺など、英語対応デスクのある大きめの支店で相談するのがおすすめです。
- 持ち物は、パスポート、ARC(あれば)、住所を証明できる書類、そして韓国の番号が使えるスマートフォンです。
数日〜数週間の観光であれば、韓国の銀行口座は基本的に不要です。海外発行のカードと現金、Tマネーの組み合わせでほとんどの場面をカバーできます。
1週目:外国人登録(ARC)の予約 — 長期滞在の方へ
登録が必要なビザで滞在する場合、原則として入国後の定められた期間内に、管轄の出入国管理事務所で外国人登録証(ARC)の申請を行う必要があります。窓口は予約なしで行くと長時間待つことになりがちなので、公式の予約システムから早めに予約を取りましょう。
必要な手続きや期限はビザの種類によって異なります。必ず公式サービスである「Hi Korea」と、ご自身のビザ書類で最新の条件を確認してください。この記事はあくまで一般的な情報であり、出入国管理に関する助言ではありません。
コンビニは最初の1週間の生命線
CU、GS25、セブンイレブン、emart24は街の至るところにあり、24時間営業です。日本のコンビニに慣れた方でも、「ここまで頼れるのか」と感じる場面がきっとあるはずです。
- Tマネーの購入・チャージができ、帰国時には少額の残高の払い戻しにも対応しています。
- 店内の「Global」表示のあるATMは海外発行カードに対応。引き出し時に表示される「換算(conversion)」の提案は断るのが鉄則です(理由はお金のガイドで詳しく説明しています)。
- 食事も充実しています。トシラク(도시락)と呼ばれるお弁当、三角キンパ(삼각김밥)、カップ麺はお湯と飲食スペース付きで、安く済ませたい日の強い味方です。
- 薬は原則として薬局でしか買えませんが、解熱剤・風邪薬・絆創膏など、認可された常備薬13品目に限りコンビニでも購入できます。体調を崩して不安なときは、観光ホットライン「1330」などの公式窓口に相談してください。
- 荷物の受け取り・発送、スマホの充電器、雨の日の傘まで。「今すぐ○○が欲しい」の答えは、たいてい最寄りのコンビニにあります。
最初に入れておきたいアプリ
- Naver MapまたはKakaoMap:韓国ではGoogle Mapsの徒歩・車のルート案内が制限されており、この2つが事実上の標準です。
- KakaoTalk:韓国で誰もが使うメッセージアプリ。各種サービスからの連絡手段にもなります。
- Papago:韓国語をきちんと扱える翻訳アプリとして定番の存在です。
- Kakao T:タクシー配車アプリ。支払い方法の設定ができたタイミングで入れておきましょう。
いずれも到着直後から出番のあるアプリばかりなので、日本にいるうちにインストールしておくと安心です。まとめとして、最初の1週間のチェックリストを挙げておきます。
- SMS認証コードを受信できる韓国の電話番号(SIM・eSIM)
- チャージ済みのTマネー
- Naver MapまたはKakaoMap、KakaoTalk、Papagoのインストール
- 銀行口座の開設(多くの場合はARC取得後)
- ARC・住所登録の予約(長期滞在の場合)
この順番どおりに進めれば、手続き同士の「にらみ合い」でつまずくことはほとんどありません。
よくある質問
Q. 短期の観光でも韓国の銀行口座は必要ですか?
いいえ、基本的に不要です。銀行口座が本当に必要になるのは長期滞在者で、多くの銀行では外国人登録証(ARC)が前提になります。旅行者は海外発行カード+現金+Tマネーで、ほとんどの場面に対応できます。なお、長期滞在に切り替える場合は、梨泰院や江南、大学周辺など英語対応デスクのある大きめの支店で相談するとスムーズです。
Q. 日本で契約したデータ専用eSIMだけで乗り切れますか?
地図や検索など、データ通信だけで済む用途なら問題ありません。ただし韓国のアプリやサービスの多くは、韓国キャリアの番号によるSMS認証を求めるため、データ専用の番号では認証コードを受け取れないことがあります。現地のアプリを使い込みたいなら、SMS認証に対応した番号付きのSIMを選びましょう。
Q. Tマネーの残高は帰国前に戻せますか?
少額の残高であればコンビニで払い戻しできます。条件や手数料は変わることがあるので、店頭で確認してください。カードそのものは手元に残しておき、次の韓国旅行に備えるのもひとつの方法です。